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HN:
ジュナー1号&2号
性別:
非公開
自己紹介:
【2号】
殉教者。
マンガとアニメが好物。
「三次元の女には興味ありません」と強がる。
小さい子が好みであることは誇り
活動資金をどうするかが悩み


【1号】
変人。
創作、編集。
2ちゃんねるスレッドまとめはリンク先のブログに移転しました。


御意見等ありましたらこちらまで
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お待たせしたかもわかりませんが13筆です。
月末までに間に合わなくて申し訳ないですwww

そしてこれから仕事ですwww
今日も張り切って生きます。たぶん。

第1筆はこちら




第13筆


忙しい週末が過ぎ、窓から差し込む光が新たな一週間の始まりを告げる。
空には所により雲が浮かび、青と白の絶妙のバランスで彩られている。
おそらく雨は降りはしまい。
晴れの中、差さない傘を持ち歩くのはいささか恥ずかしい。

俺たちが学校に行っている間は珠が紫の相手をしてくれるようだ。
これでこないだのような心配して戻ることはない。
珠が、というのが若干引っ掛かるが目を瞑ることにした。

珠は結局夕食が終わった頃に戻ってきた。
敢えて何処に行っていたなど妙な詮索はしなかった。
地雷は踏みたくないからな。
ただ、初めと変わることなく彼女は相変わらず無表情だ。
本当に別行動していた証拠として、紫を見失ったことはまったく触れられなかった。

あいつらを早いところどうにかしないと。
もちろん長居させるつもりなどない。
あいつらにはあいつらで本当の生活がある。
どうせ別れるならお互いあまり知らないほうが、何かと楽だ。
そんなことを考えながら自宅を後にした。

今日は週に一度の『難儀な』朝。
マンデーモーニンググロッキー。


「なんで週明けはやたら起きねぇんだよ!」
「え~、何…」
よたよた、今にも転んでしまいそうな足取りのすず。
「いい加減腹括って起きろよ!」
こんな週1イベントをもう何年も続けている。
ただでさえなかなか起きてくれないが、月曜というか週明けはそれ以上に厄介だ。
休みの気分が抜けてないのか、殊更寝起きが悪い。
誰だって週明けはキツいんだ。
俺はとりわけこの週末はまったく休んだ気がしなかったんだ。
確かに土曜は寝っぱなしだったが昨日のでチャラだ。
そもそも寝たくて寝てたわけじゃない。

こんなときに限って自転車がない。
そういえば先週乗って帰ってこなかったことを今思い出した。
肝心なときにこそ役立つものは役立てられないものだ。


『やっべ遅刻する!!』
俺たちを物凄い勢いで自転車が追い抜いていく。
呆然とする俺たちを尻目にそれはどんどん遠ざかり、消失点に消えた。

「先生…」
生徒と同じ立場で考えてくれる教師ってのは希少な存在だ。
俺もそんな教師は嫌いじゃない。
…だからってそこまで生徒と同じことしなくてもいいと思う。
遥か先にはこれから教室で会うだろう担任。
そして傍らには立ったまま船を漕ぐ幼なじみ。
あの担任にしてこの幼なじみ在り。
どうして俺の周りはこんなのばかりしかおらんのか。
「こら、器用に寝るな」
すずを小突き、再び走り出す。


「ひー…ぶひー…」
俺はチャイムにやや遅れて教室に入った。
ハル先生はこれでもかと教室で待ち構えていた。
「おいおい藤原、俺が田中先生だったら遅刻扱いだぞ」
「そいつぁ心が広くて」
あんたが言うなよ。
ちなみに田中とは数学教師。
ハル先生とは少し折り合いが悪い。

「小野は…どうする、藤原?」
「是非とも遅刻にしてやってください」
下駄箱のところでチャイムが聞こえた俺はすずを置いてダッシュしてきた。
そこまで面倒みてられん。


ばしぃ!
疲労感を漂わせ1限を待つ背中が誰かに叩かれる。
「おいっすー!どうした元気ないぞ!」
朝っぱらからやかましいわ。
「おいっすー!」
「うっさい、半日早いわ」
俺が疲れているのがわからんのか。
しかもそれ、完全にパクリやんけ。
「つれないなぁ、それとも今日のテストがそんなに憂鬱?」


「てすと?」
What’s?
生き馬の目を抜かれたような感覚を覚えた。
「あれ?数学のテスト今日って言ってなかったっけ?」
俺の反応に祐も虚を突かれたように戸惑う。

「そんなものは初耳だ」
ちゃんと聞いていたものならしっかりと勉強してきたはずだ。
何せ俺は数学が大の苦手。
対策もせずに受けるわけがない。
そんなことしたら修羅の道確定だ具体的には補習とか再テストとか。
だが俺の小耳はそんな話を聞いた覚えがない。
しかしクラスを見回すと数学の教科書を開く姿がそこかしこ。

どうやら祐の話は本当かもしれない。
「…マジ?」
「うん、金曜の授業中に言ってたよ」
こないだの授業…寝てたな。
最後のほうになんか言ってた覚えがないこともない。
あぁ、あれがそうだったのか。
誰か教えてくれればいいじゃんかよ…。
少し悲しくなってきた。

「すっすす、数学は数学は…」
黒板脇の時間割に目をやる。
休み時間とか他の授業を使えば活路を見出せるかもしれない。
いや見出さねば。

幾分見慣れてきた時間割に落胆し、肩を落とす。
「遅かったようだ…たとえ君でも数学はどうにもならない」
言葉とは裏腹にその顔は何故か嬉しそうだ。
そんなに人の不幸が嬉しいのか?

「放課後の演習室で僕と補習☆」
親指を立て、ウインクする。
某遊園地のCMみたいな言い方をするな。
しかしこのまま引き下がる俺ではない。
今日はとりわけパクリが多い馬鹿を無視して鞄から教科書を引っ張り出す。
だがそれは勢いよく取り上げられてしまった。
「あにすんだよ!」
思わず少し大きな声を上げた。
「ふっふっふっ…さぁ衛慈、一緒に堕ちようじゃないか…」
薄ら笑いを浮かべた祐に上から見下される。
どうして俺がこんな奴と同じ罰を受けねばならんのだ。
こんちくしょう。

今回ばかりは白旗を揚げざるを得なかった。
両手を机につき、がっくりとうなだれる。
数学はいくら勉強しても何故か身につかない。
きっと相性が悪いのだ。

ポツリ、言葉が漏れた。
「補習、どれくらいかかるのかな…」


「んもぅ、本当に付き合わなくてもいいのにぃ」
頬を赤らめ、照れた仕草をする祐。
クネクネすんな気色悪い。
「うっせー、テストあるなんて知ってたらこんなことには…」
などと今更言っても後の祭りだ。
机に片肘をつき、態度悪く飯を食らう。
心なしか先程から頭痛がする。
「あちゃー、大変だねぇ」
隣のすずが慰めのつもりか言葉をかける。
「なんでおまえはこっち側じゃないんだよ」
すずはどうしてか合格しやがった。
寝てばかりなのに何故か成績は悪くない。
寝る子は育つ?いやいや、いくら見た目はそうでも頭の中までは育つまい。
少なくとも俺の知る限りじゃ小さい頃から何にも変わっちゃいない。

「まぁ一週間後の再テストに受かればいいんだし?頑張ろうよ」
そう、今回は奇跡的に即刻補習は免れた。
一週間後の再テスト。
それでダメだったら今度こそ補習という地獄が待ち構えている。
ひょっとすると進級明けだから少し甘くなってるのかもしれない。
「そーなんだ?あたし全然聞いてなかったなぁ」
そうだな、おまえは聞くまでもないな。

「あ、そうだ!」
祐が何かを思い立ち、両手をたたく。
こいつが閃く時は大抵ロクなことじゃない。
嫌な予感がプンプンする。
きっと今の俺の表情は苦虫を潰したようなものになっているはずだ。

「みんなで勉強しよう!」
そんなとこだろうと思った。
「却下。一度でも成果が出た試しがあるか?」
一見よさそうな案だが、勉強するのは最初の5分だけ。
結局遊んで終わってしまうのだ。
「あるよーあるよー」
「お、言い返すなぁ、いつだよ?」
「こないだ衛慈が苦労してたボス倒したじゃん」
…何の話だっけ。

「…駄目なのは数学だけじゃないっぽいな」
相手するだけ無駄だった。
俺は残っている弁当をたいらげた。


ふと、家にいる紫を思った。
果たして俺がいない間何事もないだろうか。
珠がいるとはいえ、まったく安心できん。
むしろ何かやらかしそうでならない。

そういえばどうやって紫たちを送り返そうか。
肝心なことを忘れていた。
まずどうやって来たかを聞くべきだな…。

午後の授業は数学の結果でロクに集中できなかった。


「今日は割と大人しくしてたようだな」
唐揚げを頬張りつつ右手に握った椀に箸を伸ばす。
今日は何事もなく平和だった。
いや…数学のテスト以外は穏やかな一日だった。
「わらわはいと所在無く、暇にけり」
紫が少し不機嫌そうに漏らす。
「そう言われてもなぁ…」
俺は空いた椀を手に席を立つ。
「大体あれだ、おまえらはどうやってここに来たんだよ」
出会ってからずっと聞きたかったこと。
早く送還して元の(平穏な)生活に戻りたい。
そもそもこいつらは他人であって、いつまでも世話するほど俺はお人好しじゃない。
警察とか保健所に連れていかないだけマシだ。

「む、そは…」
紫が口を開いた時、


玄関の呼び鈴が鳴った。
「誰だよこんな時間に…」
なんと間の悪い訪問客であろうか。
こんな時間に来るのはすずくらいしかいない。
俺は何事もなかったように食卓に向き直る。
「何ぞありしか?」
「ん、何でもない。んでさっきの続きだが…」

団欒は招かれざる者の呼び鈴16連打によって本格的に阻害された。
さながら横断歩道の信号待ちをしている小学生にも思える。
俺も黙ってはいられず、苛立ちを剥き出しにして足早に玄関へと向かう。
「あのなぁ、今メシ食ってんだから後に…」


そこにはすずの姿はなかった。
しかし犯人は確かに小学生だった…身長が。


「おいっすー!勉強しに来たよ☆」
そこには別の見慣れた顔…祐が満面の笑みで俺の出迎えを待っていた。

ぱたん。
一呼吸置き、俺はドアを閉めた。
『うえぇ~、どうして閉めるのさぁ』
ドアの向こうで何者かが唸っているようだが俺には決して聞こえない。
『開けてよぉ!勉強しようよ~!』
だが今度はドアを叩くという迷惑なおまけ付きだ。
これじゃ近隣の皆様に怒られてしまう。
近所付き合いってのは大事だ。
最近の人は希薄になりがちだが、俺はそんなことはしない。
人間ってのはなにぶん面倒な生物だ。

「うるせぁなぁ、一人でやれっつの」
再びドアを開け、ぞんざいに言い放つ。
意味のない勉強会をしてもしょうがない。
その上、今は家に上がられては困る。
紫たちを見られたらなんと思われることだろうか。
さすがのこいつでも怪しむに違いない。
「だーめ、一人でやっても集中できないもん」
「ここだって集中したことねぇだろ…」
俺は集中している祐の姿を未だかつて見たことがない。
「それとも何か?お楽しみのところだったのかな?」
テメーはオヤジか。
いやらしい笑みを浮かべる。
何を楽しむんだよ。
「そう、だからおやすみ」
「あぁん、冗談なのにぃ」
いつまでもこんな馬鹿の相手をしてられない。
不毛な押し問答を終了するためにドアノブを引いた。
しかし祐に外側から引っ張られ、抵抗される。
「付き合ってらんねぇんだよ俺は一人でやるっつの!」
ガチャガチャとドアノブが両側から引っ張られる。
ブッ壊れないだろうか。

「どうした?やはり何かあったかの?」
ひょっこりと紫が廊下から半身を覗かせた。

「げ」
思わずドアノブを握る手から力が抜けた。
その反動で祐が思いきり後ろに倒れ、頭を地面に強く打ちつけてしまった。
祐は後頭部を押さえながらバタバタと悶え苦しんでいる。
その姿はまるで打ち上げられた魚のようだ。
「だ、大丈夫か?!」
思わず祐に駆け寄り、背中をさする。
「うぅ…痛いよぉ」
目の端に涙を浮かべたその表情に、俺は幾許かの罪悪感を感じた。
「な、何も泣くことねぇだろ…」
つーか男がこれくらいで泣くなよ。
「痛い…死んじゃう…」
「それはねーだろ」
さすがにこれが冗談なことくらい気がつく。
心配が一気に冷めていった。
「しどい…」
その場に蹲り、めそめそとしょぼくれる祐。
あーもう鬱陶しいことこの上ない。

「しょうがねぇ。とりあえず中入れ」
俺は諦めた。
祐に紫たちをどう説明するか、に脳をシフトする。

「でわでわおっじゃましまーす☆」
急に表情を180度変え、いつも通りの祐に戻った。
嘘泣きだったのではないかと思うくらいの切り替えの早さだ。
一瞬でもこいつを心配した自分を悔いた。
「って言っても衛慈しかいないんだけど…ってえええ誰この子わ?!」
時間差でツッコんできたか。
「あー、えっとこいつは…」
実際直面してみると、なんと説明すればよいか思いつかぬ。
言葉が急速に尻すぼみしていく。
馬鹿なんだから気付かないどくれよ。


「かわいい!!!」
叫ぶ祐は目を大きく開き、爛々と輝かせた。
「ちょ、おい!」
俺の制止をすり抜け、後ろに立つ紫へ一直線。
しかし珠によって奴が紫に到達することは叶わなかった。
祐の小柄な身体は弾き飛ばされ、俺の背中は強い衝撃を食らった。
「な、何やする!」
突然の祐の行動に紫は動揺した。
ってか初対面の相手に飛びかかる奴がいるかよ。
どうやら存在するようでしかもそれは俺の友達だったらしい。
「衛慈…」
こちらを睨み、ボソリと祐が呟く。
何でございましょう。
つーかあんだけ吹っ飛ばされてダメージねぇのかよ。
やっぱりさっきのは嘘泣きだ。
「こんなかわいい子を独り占めしておくなんてズルい!」
相変わらず論点がズレている。

「おぬし、こやつは何者ぞ?」
紫は明らかに祐を警戒している。
「あぁ、こいつは俺の友達で祐って言うんだ」
「斯かる奴がおぬしの友達にあるか?」
訝しげな表情で俺たちを交互に見やる紫。
まるで俺には友人を選ぶ目がないとでも言わんばかりだ。
「トゲのある言い方もかわゆいのぅ~!してこの子は衛慈とどんな関係?」
「えっと、この子は……そう、親戚!親戚の子なんだ!」
俺は咄嗟に嘘をついた。
「あれ?親戚に女の子いたっけ?」
「わらわがおぬしの親類だとフゴゴ」
紫の口を押さえ言葉を遮る。
珠の腕が僅かに動いたが、攻撃はしてこなかった。
おそらく察してくれたのだろう。
後が怖いが、この場を切り抜ける為には致し方ない。
「ああああれだよ最近出現したんだ!」
「ふーん、何かエロゲみたいで不自然極まりないなぁ…まぁ詮索しないよ!」
「そうしてくれると助かる」
ほっと胸を撫で下ろす。
理解ある友人でよかった。
「その分愛でさせてもらうよ…フヒヒ」
前言撤回。
理解の仕方が常人じゃねぇよ。


「んじゃーまた明日ね☆」
結局祐は帰るまで紫を追い回していた。

「おぬし…」
背後から声がする。
ものすごく振り返りたくない気持ちで胸がいっぱいだ。


「二度とあやつを呼ぶなかれ!」
当然の如く紫はご立腹のようだ。
全身をわななかせ、俺に鬼気と迫った。
これからは祐の扱いを検討せねばいかんな。
「だいたいどうして姫がお前の親類にならねばいかんのだ」
突如背後に現れる珠。
耳元で呟く声には幾分殺気が混じっていた。
「しょうがねぇだろ、他に誤魔化す方法が思いつかなかったんだから」
「ちっ、愚か者めが」
こいつ…。
紫と俺とでは口調もまるで違う。
「まぁいいや、今日はもう疲れた。風呂入って寝る」
「待てうやむやにするな!」
呼び止める珠を無視し、俺はいつもより長めの風呂に入って寝た。

 

翌朝、郵便ポストに一通の封筒が届いていた。
それは不自然なくらいに古ぼけていて、何故か切手が貼っておらず、消印も押されていなかった。
「何だこれ…?」
裏面に返す。

差出人は俺のよく知った人間だった。



第13筆 終
続きます。

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