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HN:
ジュナー1号&2号
性別:
非公開
自己紹介:
【2号】
殉教者。
マンガとアニメが好物。
「三次元の女には興味ありません」と強がる。
小さい子が好みであることは誇り
活動資金をどうするかが悩み


【1号】
変人。
創作、編集。
2ちゃんねるスレッドまとめはリンク先のブログに移転しました。


御意見等ありましたらこちらまで
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久しぶりの更新です。

やべぇ進捗度がやべぇwww
というわけであんま余裕無いですはいwww


第1筆は
こちらです。

 


午前から午後にまたぐ時間。
太陽を遮る雲はなく、老化を促進する光線が燦々と放射されている世界。
それを全身で浴びながら、ひたすら家路を急ぐ。
「はぁっ…はぁっ…」
俺は馬鹿だ。
あんな小さな子を家に置いてきてしまった。
しかも普通の子供じゃない。
うちの子でもないし、そもそもこの時代の子ですらない。
俺たちの常識が通用するとは限らないし、一人で何をするか見当もつかない。
そもそも現代のガキでさえ、常識があるとは到底思えないが。
…これはきっといつの時代でもそうなんだろうと思う。

家路の途中、俺の思考は一人の少女に占拠されていた。
何もないことを願いながら朝通った道を戻る。


早すぎる帰宅。
俺は玄関のドアを開け、靴を乱暴に脱ぎ捨てて家に上がる。
最初に通るのは居間。
ここでテレビでも見ててくれればどれだけ安心できただろう。
残念だが安らぎとはそう都合よく手にすることはない。
それが現実というものだ。
居間はおろか、1階に紫の姿は見当たらなかった。
不吉な考えが俺の脳裏を掠める。

『家にいないかもしれない』

「それはやばいだろ…常識的に考えて」

……。
…。
待てよ。
常識的に考えて?

そもそもこの状況が既に非常識だ。

「すずは何も言ってなかったな…」
昨日のことが現実なら、あいつも知っているはずだ。
だが紫はおろか昨日のことについては何も言ってこなかった。

そうだ。

あ れ は 夢 だ 。

「何やってんだ俺は…」
たかが夢にここまで振り回されるとは。
戻ったとき、祐になんて言い訳しようか…。
「本当に馬鹿だったんだな…俺は」
先ほどとは違う意味で、俺は馬鹿である。
俺は大きく溜め息をつき、急に脱力k…いや、虚無感に襲われた。
それと同時に自分に対して苛立ちを覚えた。
いつもならこんなことあり得ない。
ただ、夢にしてはあまりにも鮮明すぎた。
それがいけなかった。

「仕方ねぇ…学校に戻るか」
急いで戻れば午後の授業には間に合う。
こんなとこで道草を食ってられない。
そう思い、俺は玄関へと踵を返す。
……。
…。

「…一応見ておくか」
せっかくわざわざ来たんだ。
念のため確認しても罰は当たらないだろう。
まぁ…誰もいるはずがないが。


特にあの部屋には。


このドアに手をかける。
ただそれだけのことをいつも俺は躊躇ってしまう。

しかし一度気になってしまうと確認するまで気が済まない。
どうやら俺はそういう性格だ。
覚悟を決め、ゆっくりとドアを開けた。

まるでそこにいる誰かを起こさないかのように。


子供用の、少し小さいベッド。
このベッドで眠る人間はいない。


…はずだった。

ベッドを覆う布団は低くも確かに隆起していた。
微かに聞こえる寝息は、そこに生き物がいることを示している。
俺は恐る恐るベッドに近づく。


昨日出会った少女が、いる。
その艶やかな黒髪に触れ、幻像ではないことを理解する。

「夢じゃ…なかったようだな」
俺はこの現実に落胆し、顔を押さえる。
同時に、心のどこかで安堵している自分を感じた。
何に対して、何故なのかはわからない。

「ったく、いつまで寝てんだよ…」
カーテン越しからも今がもう昼間だということがわかる。
それだけ今日は日差しが強い。
しかし布団の中の少女は起きる気配がない。
俺は窓際に向かい、カーテンを開けた。

「ん…」
突如入った強い日差しに、彼女はようやく目を覚ました。
半身を起こし、辺りを見回す。
開き切っていない小さな瞳が俺を捕捉する。
「おぬしは…?」
眠い目を擦り、口を開く。
一晩世話になっておきながらそう言うか…。

少しノッてみることにした。
どうせ寝起きで頭も回らんだろう。
俺は少女の傍らに屈んだ。

「我、姫君に仕る者に候」

……。
…。

しまった。これはちょっとまずい。
自分でも気持ち悪いと感じられる。

しかし紫の反応は意外なものだった。

「ふむ…今は何時ぞ」
…流されてしまった。
「確か…未の刻に」
焦った俺は思わずそのままの口調で返してしまった。
さすがにもう気付くだろう。
「そか…」
しかし紫の反応は相変わらずだった。
彼女はまた横になり、布団に潜ってしまった。

「っておい、もう昼だって!」
俺は彼女が再びまどろむことを許さない!
「おぬしはつれなし者じゃの…。緩々と寝せよ」
すずといいこいつといい、俺の周りは寝るのが好きらしい。
…そう。
俺は小さいときから人を起こしてばっかりだ。

「薄情者扱いかよ…」
心配して戻った結果がこれだよ!
昼休みは戦士たちにとって大いなる休息の時。
まさかこんな形で浪費してしまうとは…予想外だ。
この様子なら夕方まで放っといてもよかった気がする。
そんな俺のを他所に、紫が起き上がる様子はない。

「…もう起きろ!」
俺はすずにしているように、布団を強引に引き剥がした。


知らない子供のパジャマ姿はさすがに焦った。


「いいか、俺が帰ってくるまでここにいてくれ」
朝兼昼飯を彼女が食べ終えた頃、俺はそう忠告した。
注意するのは火事くらいで、家にいてもらうほうが面倒が少ない。
街を探し回るのはさすがに無理がある。
…別に探さなくてもいいんだが。

「何故じゃ?かかる狭き所に閉じ込められるのは嫌じゃ」
もちろん当然のように彼女は納得してくれない。
素直に言うことを聞くわけではないようだ。
おそらく平安貴族の娘とかそんな設定になっている筈だ。
こんな家よりずっと広い屋敷に住んでたに違いない。

だが年端もいかぬ子供一人に引き下がる俺ではない。
「外は今の子供でも危ない目に遭う…おまえには尚更危険だ」
見た目も子供だが、何よりこいつはこの時代を知らない。
その辺のクソガキより常識がないだろう。
しかし人間とは好奇心の強い生き物だ。
危険と言われると行きたくなるし、怖いと言われると見たくなる。
特に子供は感情のままに行動する。
…俺だって昔はきっとそうだった。
「まだ童女扱いしおって…わらわを軽むなかれ」
紫は俺の心を読んだのか、子供扱いされたことが気に食わないようだ。

その後も俺の説得が続いたが、紫は首を縦に振らない。
「こうなったら…」
俺は思いつく最後の説得を取った。

「わかった…明日休みだからいろいろ連れてってやるよ」
俺は明日の自由を犠牲にした。

つまり、俺の負けだ。
「む…然らば仕方ないのう。さまでわらわと外歩きを欲すか」
わかってくれたようだが、今度は俺が納得いかない。
これだと俺が一緒に行きたいと言ってるみたいじゃないか。
もちろんそんなことは少しも思っていない。
だがこの門答を終わらせるには、どちらかが折れなければいけない。
それは俺だろう、年齢的に考えて…。

さらば春の週末。
明日のゲーム三昧は脆くも崩れた。
せめて日曜は満喫しよう。


脱ぎ散らかした靴に足を入れる。
「…疾く帰るのだぞ」
玄関まで来た紫が催促する。
まるで仕事に向かう親を送り出す子供のようだ。
これで『お土産』なんて言われたらまさしくそれだ。
「はいはい」
どうやらそれ以上はないようだ。


そういえばこの家で誰かに送り出されるのなんて…久しぶりだ。



第8筆 終
第9筆はこちら

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