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HN:
ジュナー1号&2号
性別:
非公開
自己紹介:
【2号】
殉教者。
マンガとアニメが好物。
「三次元の女には興味ありません」と強がる。
小さい子が好みであることは誇り
活動資金をどうするかが悩み


【1号】
変人。
創作、編集。
2ちゃんねるスレッドまとめはリンク先のブログに移転しました。


御意見等ありましたらこちらまで
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2号です。
いろいろあって更新サボってましたごめんなさいwww

というわけでやっと9筆です。


第1筆は
こちら


現在時刻1402。
結局5限には間に合わなかった。
先程と違って足取りは重く、走る体力も残っていない。
もっとも気力もないんだが。

いつもは通らない、人気のない道を通って学校へ戻る。
こんな時間に高校生が街を徘徊しているのは怪しい。
間違っても平日の昼間から遊んでる不良と思われたくない。
そんな誤解は甚だ心外だ。
決してサボりたくてサボったわけじゃない。

昼休みとは午後に向け活力を充電する時間。
具体的には教室で寝てるだけ。
しかしこの時間が午後を乗り切る上でかなり重要なのだ。


もうすぐ5限が終わる時間だ。
学校の正門をくぐると、2階の渡り廊下が見える。
渡り廊下の端には職員室があり、運が悪いと教員に見つかってしまう。
授業中でも割と人が通るという実態が厄介だ。
正面突破は無謀と言えるだろう。
遠回りだが裏から進入する。
体育館に近いということもあり、ここは部室が軒を連ねている。
ここを通ると部室から出てきたように自然を装うことが出来る…帰宅部がいる時点で不自然だが。
しかし俺はそんなに顔が知れた人間ではない。
この不自然を気に留める人間はそういないだろう。
人間は自分が気にするほど周りには気にされていないものだ。
悲しいがこれは実証済みである。

授業が終わり、教員がいなくなったのを見計らって教室に進入した。
生憎サボった教員の前で堂々と入るほど図々しくはない。
次に顔を合わせた時に言及されそうなのが少しばかりの気掛かりだ。

「衛慈…どこ行ってたの?」
椅子に手を掛けた時、すずに気付かれてしまった。
「あぁ、その…」
「サボりなんて珍しいねぇ」
言い訳を考えていると、すずが先に口を開いた。
よく考えたらこいつも紫のこと忘れていたな。
すずが思い出してくれていたら家に戻ることはなかったかもしれない。

「…半分はおまえのせいだ」
彼女に聞こえない程度に呟いた。
「ん?何か言った?」
「いや何も…それより次の授業って何だ?」
正直めんどくさいので話を変えることにした。
そもそも引き取った俺がちゃんとしてるべきだった。
すずの所為にするのは最低だ。
「次は数学だよー」
…。
なんと。
こんな時に限って数学とは。
一週間の締めが数学はおかしいだろ…文系的に考えて。
今年の時間割はここが許せん。
日本史で週末に行かせてくれ。

数学は苦手なのだ。

昼に休めなかったことが災いし、強烈な睡魔が俺を襲う。
計算は途中で途絶え、水性ペンがノートに滲んでいる。
文字なのか数字なのかよくわからない。
蛍光ペンで引いたラインは見るに耐えない有様だ。
結局後半は意識がなかった。
運良くチャイムの直前で目が覚めたため、号令で恥をかくこともなかった。
あれは相当恥ずかしい。
そういえば途中で教室がざわついたが何かあったのだろうか。

 

夕陽が4月の街をオレンジ色に染め、家路を急ぐ車が行き交う。
とは言ってもこの時間だ。
自然渋滞でダラダラと流れているのが現状だ。
ドライバーはさぞイライラしていることだろう。
信号待ちをしているトラック運転手が怪訝な表情で煙草を咥えている。
そんな顔して運転するなら乗るな…と車嫌いの俺が言ってみる。
排ガス撒き散らしやがって。
温暖化で今地球がやばいんだぞ?
俺は暑さに弱いんだ。これ以上暑くなるのは勘弁してくれ。
排ガス撒くか副流煙撒くかどっちかにしろ。
できればどちらも遠慮願いたい。
ハイブリッドにしろハイブリッドに。


「6限の衛慈面白かったなぁ~」
すずが話題を出したと思えばそんな話だ。
「別に。ただ寝てただけだろ?」
ただの居眠りだ。面白くも何とも無い。
そもそも俺が授業中寝ることは珍しいことではない。
一日中頑張って起き続けてるほど勤勉でもないし、体が持たない。
「船漕いでたし、ノートめちゃくちゃだし…」
授業中の俺を再現するように、すずが首を縦に揺らす。
俺は見世物じゃないのだが。

「そっかぁ~、僕も見たかったなぁ」
自転車を押して歩く祐が少し残念そうな表情を浮かべる。
俺は窓側の一番後ろ、すずはその隣。
だが祐は教卓の目の前だ。
奴が授業中に後ろを向いてたら目立ってしょうがない。
もちろん見られてたまるか。
見られなかったことがそんなに残念なことだろうか。
俺にはよくわからん。

「その前におまえ自身が寝てるだろ」
祐は俺以上に常習犯だ。
気が付けば机に突っ伏している。
それもほぼ毎日である。
大抵どのクラスにも居眠りキャラがいるが…今年もこいつが担当だろう。
去年のクラスでもそうだった。


もう一年間通った通学路。
いつもの横並びの位置。
去年の春と変わらない、茜色の夕陽。


不満なんて…何処にも無い。
これ以上を望むことは贅沢だ。


少し大きな交差点。
祐とはいつもここで別れる。
横断歩道にしばらく待たされ、信号が青に変わった。
「そうだ、衛慈から借りてたゲーム来週返すよ!それじゃぁね☆」
「おう。んじゃな」
「また来週~」
祐は自転車に跨り、走り去っていった。
あの体躯からは想像できない脚力。
ぐんぐんと遠ざかっていく祐。
どう見ても自転車で出せるスピードじゃねぇぞ。


「あ、自転車…」
そういえば今朝は自転車で来たんだった。
すっかり忘れていた。
日頃あまり乗らないため、今日のように置いて帰ってしまうことは少なくない。
今から学校に戻る気力もないので週明けでも乗って帰ろうと思う。

「はぁ…疲れた」
なぜか急に気が抜けた。
「今日は朝から大変だったねぇ」
隣ですずが柔らかな笑顔を浮かべる。
「こんなに体動かしたのは久しぶりだ…」
帰宅部の俺にとって、運動する機会は体育くらいだ。
そんなわけで必要最低限の体力しか持ち合わせていない。
「ねぇ、そういえばどうして5限いなかったの?」
「ん、ちょっと家に…」

……。
…。
家ね。

「時にすずよ」
「ん?」
「昨日の夜のこと、覚えてるか?」
俺は一抹の不安を抱きつつも、すずに聞いてみた。
「昨日の夜?う~ん…」
すずは額を押さえて考え込んでしまった。
「夜、夜…」
こいつ…。
昨日の事だぞ?
昼まで忘れてた自分が言える立場じゃないが。

「…何かあった?」
やっぱりダメだ。
そもそもすずに期待したことが間違いだった。
こいつは抜けてるようで抜けてる。
昔から物忘れが多いので、大体のものは俺が予備に持ち合わせるようにしていた。

「ホント、相変わらずだなぁ」
長い付き合い。
この抜けた調子はずっと変わらない。
逆にこうじゃないと不自然だ。
「えへへへ~」
「えへへじゃねぇって…」

 

『うわぁああぁあ”あ!!!!』

突然の叫び声に緊張が走る。
方向からしてうちの近所だ。
難儀な習性だが、俺は声の元へ走り出した。


その声は近所の公園から発せられたようだ。
声の主…


それは昨日俺が引き取った少女であった。
経緯はわからんが、野良犬に吠えられている。
あれほど家にいろと言ったのに…。
これだから子供は言うこと聞かないから困る。

「か、彼方へ往ねぃ!」
紫は近くにあった木の棒を取り、振り回している。
ひどく狼狽しているようだ。
しかし紫の取った行動が逆に刺激する結果になってしまった。

ってか見てる場合じゃねぇ。
早く助けねぇと。
俺は駆け寄り、紫と犬の間に割って入る。

「お、おぬしっ!」
周りを見ている余裕も無かったのか。
ここまで来てやっと俺の存在に気付いたようだ。
ったく、パジャマ姿で何やってんだよ…。
とりあえず今はこいつを追い払うのが先だ。
野良犬退治はしたことねぇなぁ…。
喉の奥から低くくぐもった唸り声をあげている。
標的を俺に変えたようだ。
丁度良い。
残念だが犬は好きじゃない。
紫の手から棒を取り、構える。
怒りと悪意、そして幾許かの『殺意』を込めて犬を睨む。
犬って動物は上には尻尾巻いて媚び、下には食ってかかる。
相手を見て態度を変えるそういう生き方が嫌いなのだ。

どうやら俺に服従する気はないようだ。
激しく吠え、こちらに突進してきた。
こうなったら正当防衛だ。
ボッコボコにしてやる。
全身を緊張させ、棒を持つ手に力を込める。
「来いっ!!」

だが俺の一閃が犬を捉えることはなかった。
俺に到達する前に、犬の盲進が止まった。
よく見ると犬の胴体には無数の棒が刺さり、その場で悶えている。


犬の胴に突き刺さったもの。
それは現代では見慣れぬ髪飾り…簪だった。



第9筆 終
続きますよ。

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